ONLINE TALK Accept vol.3

更新日:2021年2月19日

テロと紛争をなくす/ オンライントークアクセプト 第3回


第3回のゲストは、山崎 琢磨 さん。

今回は、アクセプトインターナショナルが制作したドキュメンタリー映像を参加者の皆さんと鑑賞し、山崎さんからのお話を伺いました。


■山崎 琢磨 さん

1997年生まれ。慶應大学法学部政治学科アフリカ地域研究会所属。NPO法人アクセプト・インターナショナルで4年間にわたりケニア事業部の活動に従事。大学に通いながら長期休暇にはケニアに渡航し、2019年は1年間休学して現地に駐在。これまでソマリアギャングの社会復帰支援事業を主導するなかで、フットボールチーム設立やスマートフォン修理スキルを用いた収入創出事業の立ち上げを行う。現在は、ケニア事業のサポートをしながら日本で広報を担当。広報ファンドレイジング局副局長。


 
ソマリアでの活動

「アフリカの角」ともいわれ、動植物や海岸線など美しい自然に恵まれた国です。しかし、9.11で有名なテロ組織、アルカイダの子分にあたるアルシャバーブの存在が、脅威となっています。

国内では中央政府の力が及ばず様々な勢力が乱立しているなか、首都のモガディシュを含むひときわ広大な範囲を支配しているのがアルシャバーブです。

ここはその危険性や天然資源の乏しさから、国際社会も手を差し伸べておらず、いわば「置き去り」に

なっており、私たちがやるしかないのです。


ケニアでの活動

もう一つの活動拠点であるケニア。日本から遠く、あまり日常で意識したことはないと思います。ふと、ケニアは何語を話しているのかと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。実はもともとイギリスの植民地であり、英語が使用されている地域です。また、大きな問題としてソマリアから逃れてきた多くの難民が流入し、治安や貧困の深刻化があります。


こういった問題は日本からとても遠いところで起きており、現実味がなかったり、問題だとは思っても、当事者意識が起こりづらいと思います。

しかし、私たちが支援している「加害者」といわれる人々の中には、実は自分たちを同世代であったり、自分の子供や孫と同じ世代であるという状況には間違いないのです。

アクセプト・インターナショナルは「未来を変えるのは若者だ!」と声掛けし、日本人の若者というポジションを生かして彼らとともに活動してきました。このような背景をふまえながら「加害者」と言われる存在を支援しています。

(写真:NPO法人アクセプト・インターナショナルFacebookページの投稿より)


ドキュメンタリー映像

今回のイベントでは、ソマリアでの紛争から隣国のケニアに逃げてきた難民としてのバックグラウンドを持っている人々や、その子供世代にフォーカスしたドキュメンタリー映像を見ました。

前身団体である「日本ソマリア青年機構」だった当時に制作されたこの映像は、ソマリア人ギャングたちが、自分たちに対する偏見や差別を自分たちで解消したいという思いで制作されたものです。


"加害者を受け入れるとは”というテーマで、加害者としてレッテルを張られてしまう彼らが、果たして本当にそうなのかという疑問を投げかけた映像でもあります。

ギャングたちが実際に暴行を受けている姿など、少しショッキングな映像も皆さんで見ました。


目を背けてしまいそうになる映像もありましたが、そこにはギャングたちが実際に受けているモノが生々しく映っていました。そして、どこか遠い国で起きていることが自分の痛みのように感じられた一瞬でもありました。

レッテルや偏見、差別の問題は言葉で表すのは簡単なことかもしれませんが、イスリー地区のギャングたちが自ら映像を制作したいと訴え世界に投げかけていく姿は、映像を通すとよりリアルに感じるものがあるのかもしれません。


(写真:NPO法人アクセプト・インターナショナルHPより)

(写真:NPO法人アクセプト・インターナショナルHPより)


ゲストトーク(Q&A)
  • ドキュメンタリー映像の中でもあった、暴行は日常的に起きれいるものですか?

映像自体は提供していただいたもので、現地の問題として差別意識というものがあり、リンチや暴力が起きたりしています。日常茶飯事ということではありませんが、不安定な地域ではあるので、若者が必要に駆られて盗難をするという行動はあります。そこで見つかってしまうとやはり差別につながってしまいますね。


  • イスリー地区では性暴力が横行していますか?

あまり目立っていない気がします。少なくともあまり聞かないですね。一部男性や女性がしっかり話し合っている姿も見受けられます。特にソマリの女性は女性としての姉さん気質があり、ギャングたちも女性の声に弱かったりもします。(笑)


  • プログラム終了した若者たちはどのように過ごしているのでしょうか?

自分で道を見つけて行く人もたくさんいる一方で、なかなかうまく行かない人も多くいました。しかし、アクセプトインターナショナルに少し依存傾向にあった人々もここから旅立っていき、それを機にソマリアに帰っていく人もいました。うれしい旅立ちだったと思います。


  • 外見から、ケニアの人かソマリアから来た人などすぐにわかるのでしょうか?

すぐにわかります。


  • アフリカやイスリー地区、ギャングの方々に焦点をあてられたのは何故ですか?

東日本大震災が起きていた同時期に、アフリカで「比類なき人類の悲劇」と呼ばれる紛争が起きていました。世界中では日本への注目が集まる中でアフリカに目を向ける人は少なかったことに疑問を持ち、より支援が集まってない方にフォーカスを当てるべきではないのかという思いのもと、支援を始めました。たまたま早稲田大学に留学生として来ていたソマリア紛争孤児の兄妹と一緒に取り組んでいったという背景もあります。ギャングやテロ、紛争の加害者側の問題は、感情移入をしにくい部分があ   ると思います。助けてほしいという需要に供給が足りていない状況がある限り、私たちがこの活動をしなければならないと思っています。


 

寄稿

正武家 ほのか(NPOアクセプト・インターナショナル 広報・ファンドレイジング局 / 大東文化大学)

 

[追記] クラウドファンディングが始まりました!

▼DRRプロジェクト特設サイト:

https://accept-int.org/drr2020/

11月29日スタート、1月31日まで。目標金額は700万円です!

DRRプロジェクトのクラウドファンディングを実施中。「DRR」とは、脱過激化・社会との接点構築・社会復帰のこと。アクセプト・インターナショナルがこれまでの活動をより充実させるため、新たに4つのプログラムを導入するそうです。


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