日本在住ミャンマー人が語る「母国の今」

更新日:2021年5月26日

ミャンマーでは、今年の2月に軍事クーデターが起き、現在に至るまで軍や警察による弾圧が続いています。そんなミャンマーの現状を知るために、合同会社ActiwishとUniversal Research Laboratoryの共同主催で開催されたオンラインイベント「日本在住ミャンマー人たちが語る「母国の今」」のレポートをお送りします。


ミャンマーのクーデターや弾圧については日本でも報道されますが、一体私たちはミャンマーのことをどれくらい知っているのでしょうか。「知る」ということはデモクラシーの大切なはじめの1歩です。今回のイベントは、日本在住のミャンマーの方々の声を聞くために開催されました。


お話してくださるのは、在日ミャンマー人の新井明音(アカネ)さん、Zaw Ye Htut(ゾウ)さん、 Khin Yadanar Soe (キン)さん、Aung Ko Naing(アウン)さんの4名。皆さんミャンマーの出身で、留学などをきっかけに来日しています。


【1】ミャンマーの最新の状況はどうなってる?

まずは在日ミャンマー人の皆さんから聞く、ミャンマーの現状についてです。様々な話題が飛び交いましたが、ここではその中からいくつかピックアップしてご紹介していきます。


・ヤンゴンの状況は少し落ち着いてきた

国民が自衛団のようなものを組織して治安を守りはじめたので、都市部であるヤンゴンを中心に、ピリピリした状況は脱してきたようです。とはいえ、買い物も早朝に済ませるなどといった生活は続いており、発言や行動の自由が奪われた状況は続いています。


・CDMの影響で、学校などが閉鎖状況

CDMとは、Civil Disobedience Movement(市民的不服従活動)と呼ばれるボイコット運動です。クーデターを起こした国軍への意思表明として行われていますが、それにより会社や公共施設が運営できない状態となっています。それでも民主主義が実現するまでCDMをやめない、そんな覚悟と共にミャンマー市民はこの運動を行っているのです。


・夜が明ける前から、銀行ATMには長蛇の列

現在、ミャンマーでは銀行機能にも障害が出ています。CDMの影響や、政府がカード使用を停止したり海外送金をブロックしたためです。特に現金不足が深刻で、遅い時間に行くとATMが空っぽになってしまう状況なのだとか。そのため、市民は確実に現金を手に入れようとAMTが開く前から並ぶことに。


・コロナの状況が悪化してきている

今までミャンマーではそこまでコロナの影響を受けていませんでしたが、ここにきてインドの変異株がミャンマー国内でも流行し始めたそうです。ですが、病院もCDMなどの影響で正常に機能していないため、患者は医者の家に個人的に行き診療を受けるなどして凌いでいる状況です。


【2】アウンサンスーチーさんってどんな人?

ミャンマーの今を伺った後は、アウンサンスーチーさんについての話を伺いました。前回のイベントでも度々話題にあがるほど、日本でも知名度のあるスーチーさん。どうしてこんなにも有名なのか、ミャンマー人にとってのリアルなスーチーさん像について理解を深めていきます。


ミャンマー国民にとってスーチーさんという存在は、いわゆる政治家とは違うそうです。1985年に自宅軟禁から開放された彼女は、国民からすると「変わり目の象徴」であり、身近な「お母さん」とも呼べる存在でもあります。実際に「お母さん」と呼ぶ人もいるのだとか。


また、話づらいであろうスーチーさんとロヒンギャの問題についても、皆さんの視点から率直な意見を聞かせてくれました。


その話の中で印象的だったのは「国民はみんな本質的な民主化がほしい。」ということ。「本当の民主主義があれば、自分たちの未来を自分たちで作れる。どんな民族だとしてもそれが叶う社会であってほしい。」と言った言葉が、とても重く感じられました。



【3】BRCJ(日本ビルマ支援センター)の歩み

最後は、今回の特別ゲストである日本ビルマ支援センター(BRCJ・http://www.brcj.org

)の代表・中尾さんのお話に移ります。このイベントでミャンマーの話をしてくださっている皆さんが支援先として常に案内している団体になります。


BRCJは、1988年に創設したミャンマーを支援する民間団体になります。設立後はタイ国境での難民支援や民主活動支援、教育支援などを長い間にわたり行ってきました。現在、BRCJはクーデター後の状況を受けて、募金活動を開始しています。集まった募金は、CDM(Civil Disobedience Movement・市民的不服従活動)に参加している市民への支援金にあてられます。


【4】お知らせ「軍事国家ミャンマーの内幕」上映会

現在、ミャンマーを知ってもらう活動の一環として新宿でのドキュメンタリー上映会も開催予定だそうです。当日はミャンマーについてまた違う角度から知ることが出来るだけでなく、在日ミャンマー人の皆さんと直接会うこともできるそうです。


2021年5月22日(土)新宿区立角筈区民ホール

映画「軍事国家ミャンマーの内幕」上映会 〜ミャンマーを応援する人たちの集い〜を日本で初上映します。


▼申し込みはこちら

https://mjhub-screening.peatix.com

原題:ON THE INSIDE OF A MILITARYDICTATORSHIP

製作年:2019年

製作国:デンマーク・フランス


レポート執筆/吉田恵理


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