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  • 執筆者の写真Masato

"ともに生きる"ための学校 デンマークの中学生世代が学ぶエフタースコーレとは

更新日:2020年11月5日

 学生時代を1年延長して青春の貴重な時間を楽しむ、しかも受験勉強はせず、息抜きと友達づくりができる...そんな学校があったらあなたは入ってみたいと思いますか? 


 なんとデンマークには、そんな夢のような学校があるんだそうです! ...とは言っても、どんな学校なのでしょうか? どんな子達がどんな目的で学びに行くのでしょうか? そして、その根底の理念にはどのような考え方があるのでしょうか? 


 デンマークと日本を行き来されている 藤田さん、ソーレンさん、イベント主催 浦野さんの3人と、北欧社会の本質についてじっくりとお話するオンラインイベント「リレ・タンケ」。デンマーク語のLilleは「少し, ちょっと」、tankeは「考える」を意味します。


 今回はデンマークの若者が希望制で入学するエフタースコーレについて紹介します。



中学生を「延長」できる? デンマークのエフタースコーレとは


 ソーレンさんによると、エフタースコーレとは 14〜18歳の若者が通う全寮制学校のこと。デンマーク国内に約240校存在するそうです。


 デンマークの義務教育では日本の小・中学校にあたる国民学校(フォルケスコーレ)を9年間かけて卒業します。しかし、学力面を補ったり、様々な人とのコミュニケーションをもう少し経験したい生徒は卒業を遅らせて、10年生として補講を受けることができるそう。そして、その1年をエフタースコーレで過ごす生徒が多く、最近では若者の4人に1人が入校するほど人気なんだそうです! 



©︎Gribskov efterskole https://www.gribskovefterskole.dk/



社会の一員として私たちは何ができるのだろう?


 藤田さんはエフタースコーレの特徴は、共同生活を通して自立と社会参画を学ぶ点にあると言います。 イベントでは様々なエフタースコーレの事例をご紹介頂きましたが、確かにいずれも「自分と他人を受け入れて自立すること」、「コミュニティーの一員として社会参画すること」に重点が置かれていました。 

 

 例えばファクセフス エフタースコーレでは「どのように社会課題を解決するか」をテーマに、経済や哲学、宗教等についてデンマーク語やドイツ語、フランス語で調べて発表するプロジェクトがあるそう。他にも気候変動について考える委員会や、デンマークの政治について対話する活動があり、それらを通して、社会の一員としての姿勢を学ぶといいます。 




©︎Faxehus efterskole https://faxehus.dk/



私たちはみんな違うという権利を持っている


 特別支援向けのヴァルデマスボーエフタースコーレでは、理念に「私たちはみんな違うという権利を持っている」という一節があり、教職員の方もその理念を実践されています。 

 

 藤田さん、ソーレンさんが同校のダンスの授業を見学した際、他の子と踊らず教室の隅にいる生徒がいたのですが、その様子を見ていると先生はお二人にこう語ったそうです。 「ダンスを見てるだけでも、揺れるだけでもいいんです。彼らが友達と手を繋いでみようかなと思えた時に繋いでみればいい。段階的に彼らに合わせていけばいいんです。」 



©︎Kvie Sø Efterskole https://www.kviesoefterskole.dk/


 子どもたちを均一化された学校の枠にはめこむのではなく、一人ひとりが違うことを前提に互いの存在を認め合う。そして各々のペースに合わせて自立と社会参画を促していく。 エフタースコーレでの教育は地道かもしれませんが、その中には今の日本の教育をよりよくするヒントがたくさん詰まっているかもしれません。

 

 今回はデンマークの学校エフタースコーレについて紹介しました。それではまたお会いできることを楽しみにして...Vi ses snart! (デンマーク語で See you soon!)


 

イベント詳細はこちらから https://url2016.peatix.com/


PDF版のレポートはこちら

LilleTanke-03-report
.pdf
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(Designed & Written by Masato)



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